TOEICを勉強するとなったら、まず600点を目指す人が多いと思います。
しかし、いざ勉強をするとなると、「やることが多すぎる」「何から始めればいいかわからない」と足踏みしてしまう方が多いでしょう。
TOEIC600点は、適切な学習を日々続けていれば、海外経験のない方でも必ずとれる点数です。
TOEIC600点取得のポイントは、「英語の基礎を習得して、取るべき問題を確実に正解すること」です。取るべき問題を取るということは、習得に時間のかかる問題に勉強時間を使わないという取捨選択をするということです。
この記事では、国内独学でTOEIC950点を取得した私が自信をもっておすすめする勉強方法をお教えします。
TOEIC600点までのおおまかな流れ
- 今の実力を知る(公開テストの受験・公式問題集)
- TOEICで求められる基礎的な文法・単語をマスターする(約2か月)
- 問題集や模試で繰り返し問題演習をする(約1か月)
1.今の実力を知る
まずは自分が現時点でどのくらいの点数が取れるか確認しておきましょう。
自分のTOEICの実力を知るには下記の2つの方法がいいと思います。
- 1.TOEIC公開テストを受験する
- 2.TOEIC公式問題集を解く
1.TOEIC公開テストを受験する
TOEIC公開テストとは、会場で受験する実際の試験のことです。
いきなり本試験を受験するのは気が引けるかもしれませんが、TOEICはほぼ毎月テストを行っているので、何度でも挑戦できます。公開テストを受験すれば、点数が出るので、自分の実力を知る最も確実な手段です。
それに、テストの流れや本番の緊張感も体験することができます。特に、リスニングの勉強をイヤホンでやっている人は、初めて会場で受験すると、音の響きや聞こえずらさに面食らうと思います。
TOEICは1回の受験で結果を出そうとするよりも、何回か受けたほうが、最終的に高得点になりやすいです。1回目の受験で目標の点数を取れることはレアケースです。そのため、まずは臆せず公開テストを受験してみましょう。
公開テストを受験するメリット
・自分の現時点での実力・点数が確実にわかる
・試験独特の雰囲気に慣れることができる
公開テストを受験するデメリット
・受験料が高い(7810円)
・結果がわかるまでに時間がかかる(2週間以上)
2.公式問題集を解く
TOEICには過去問がありません。
その代わりに公式問題集というものがあります。
公式問題集はTOEIC運営元であるETSが出版している最も本番に近い問題集です。
本番と同様に、リスニング100問、リーディング100問の計200問の試験が2回分入っています。
会場に行って公開テストを受験する手間や受験料を考えると、公式問題集は手軽に取り組めるのでおすすめです。
書店には公式問題集のほかにも、本番同様の形式の模試が販売されています。
それらも繰り返し解けば、スコアアップはできますが、公開テストより難しめになっていることが多いです。
実力を測るという点では、公式問題集をお勧めします。
初心者の方は、200問を2時間ぶっ続けでやるのは、厳しいと思います。
そんな方は、Part1~7までをパート別に解くといいと思います。
ただ、パート別に解くときも時間は測って解くようにしてください(でないと自分の実力がわからないので)。
パート別の回答時間目安は以下の通りです。
パート | 回答時間 | 問題数 |
1 | 約3分 | 6 |
2 | 約7分 | 25 |
3 | 約20分 | 39 |
4 | 約15分 | 30 |
5 | 10分 | 30 |
6 | 8分 | 16 |
7 | 57分 | 54 |
公式問題集のメリット
・公開テストよりも安く、自分の実力を測れる
・繰り返し何度も解くことができる(公開テストは問題用紙を持ち帰ることはできない)
・回答後、すぐに点数がわかる
公式問題集のデメリット
・試験独特の雰囲気を体験することができない
・市販の他の模試よりも高い
2.基礎的な文法をマスターする
自分の実力が分かったら、さっそく対策に取り掛かりましょう。
まずは文法です。
初心者が勉強して、最も点を取りやすいのは、Part5・6の文法問題です。
TOEICで文法の知識を直接問われるのは、200問中20~30問程度ですが、リスニングや長文読解でも文法の知識が必要になるため、文法は軽視しないようにしましょう。
Part5・6対策でおすすめの問題集は、「文法特急」です。
文法特急は、最小限の問題でTOEICに出題されるさまざまな文法要素を習得できます。
高得点者向けの難しい問題やTOEICにあまり出ない問題がないので、TOEICのスコアアップに直結します。
解説もとても詳しく、1問に対して、1ページ全体を割いて解説してくれています。
最新版では、書籍だけでなく、音声による解説もダウンロードできるので、たった1000円弱で授業を受けているような体験ができます。
あとこれは特急シリーズ全体に言えることですが、本が新書サイズなので、とても持ち運びがしやすいです。
通勤中の電車やベッドの上など机がないところでも、勉強しやすいです。
どこでも気軽に取り組めるというのは、勉強を継続するうえでとても大切なことなので、その点でも文法特急はおすすめできます。
600点を目指す方は、「初級編」と「中級編」の問題をすべて瞬時に解けるようになるまで繰り返し解いてください。
1回、2回解いて終わりにしてしまう方が多いですが、それは非常にもったいないです。
なぜなら、1回目は自分の弱点を探す段階にすぎないからです。
弱点を見つけたら、それを克服しなければスコアアップにつながりません。
TOEIC対策は2回目以降が本番です。
皆さんは弱点を探す段階で終わりにせず、本書のすべてを習得するまで繰り返し解いてください。
文法特急の解説の文法用語がわからなかったら?
文法特急の解説を読んでも理解できない場合は、用語の説明や基礎文法から解説している本を手元に準備して、問題に取り組むといいです。
定番ですが、「Evergreen」は無難におすすめです。(筆者も本書の前身「Forest」で、ほとんどの文法を学習しました。)
ポイントは、はじめから終わりまですべて読もうとしないことです。
本書は600ページほどありますので、すべて読もうとすると確実に挫折します。
文法特急でわからないことがあったら、Evergreenの索引から知りたい項目を検索し、該当箇所をじっくり読むという感じが、継続のコツです。
文法対策のまとめ
・「文法特急」を中級編まで何度も繰り返し解く
→(文法特急でわからないことがあったら「Evergreen」などの文法解説書で知らない部分をじっくり読む)
↓
・「公式問題集」のPart5・6を解いて、時間間隔を養う
3.単語をマスターする
文法と同時に単語の学習もしましょう。
単語はすべてのパートに関わるので、TOEIC対策では最優先に取り組むべきです。
TOEICの単語帳で定番なのが、「金のフレーズ」です。
本書は一般的な単語帳に比べて、TOEIC頻出の単語に絞って掲載しています。
「TOEICの単語帳といえばコレ」という感じで、多くの人に使われているので、これをやっておけば大丈夫という安心感があります。
600点を目指す方は、本書の730点レベルまでをすべて覚えるまで何度も読んでください。
すべて覚えるには最低でも5周は必要でしょう。
「金のフレーズをすべて覚えても、まだ公式問題集で知らない単語が多い」という方は、基礎的な単語が不足しています。
そういった方は、高校基礎レベルか英検準2級レベルの単語帳を覚えると、解決すると思います。
「キクタンBasic 4000」は取り組みやすく、レベルがちょうどいいと思います。
TOEIC対策の単語帳では、「銀のフレーズ」がおすすめです。
銀のフレーズは、金のフレーズの基礎固めとして出版された単語帳で、金のフレーズの前段階で取り組むにはちょうど良い本です。
基礎単語でありながら、TOEIC頻出の単語ばかりなので、600点であれば本書だけでも十分なほどです。
単語対策の流れ
・銀のフレーズorキクタンBasic4000(これだけでも600点には十分)
↓
・金のフレーズ(730点レベルまで)
4.Part1・2対策をする
Part1・2は、リスニングのパートで、リスニングでは点を取りやすい狙いどころです。
Part1・2で多く正解できれば、600点がぐっと近づきます。
したがって、Part1・2は600点を取るにあたって、優先順位の高いパートです。
Part1・2の対策では、「Part1・2特急 難化対策ドリル」がおすすめです。
本書は、本番と同じ形式のPart1・2の問題がひたすら200問以上のっています。
本番と同等の問題をいきなりやるのは気が引けるかもしれませんが、Part1・2の問題はそこまで難しくないですし、1問1問が短いので、取り組みやすいと思います。
本書で身につけたいのは、リスニング力とPart1・2特有のくせに対応する力です。
TOEICのPart1・2は他のテストではあまりない形式ではありますが、その分慣れると初心者でも点を稼ぎやすいです。
なので、Part1・2対策をやらない手はないです。
5.公式問題集や模試で問題演習を積む
英語の基礎的な知識を身につけたら、あとは本番と同形式の問題でひたすら練習あるのみです。
ここがTOEIC対策で一番つらいところではありますが、ここを怠るとスコアはなかなか伸びません。
毎日TOEICの文章を読んだり聞いたりしていると、成長をかなり実感できるので驚くと思います。
やはり語学は「習うより慣れよ」の側面が大きいです。
今まで解説していなかった難関パートのPart3・4・7の対策も公式問題集のみで600点には十分です。
ひたすら読んで、聞いて比較的解きやすい問題を取りこぼさないように対策しましょう。
せっかく積み上げた知識が無駄にならないよう、最後のひと踏ん張り頑張りましょう。
6.各パートの目標正解数
比較的取りやすいPart1・2・5・6で8割以上、難関パートのPart3・4・7で6割以上の正解を目指しましょう。
パート | 問題数 | 目標正解数 |
1 | 6問 | 5問 |
2 | 25問 | 20問 |
3 | 39問 | 24問 |
4 | 30問 | 18問 |
5 | 30問 | 24問 |
6 | 16問 | 13問 |
7 | 54問 | 35問 |
7.TOEIC600点対策のまとめ
上記の対策をまずは3か月かけて取り組んでください。
そうすれば、必ず600点を取れます。
いや、600点にとどまらず700点ぐらい取れてしまうかもしれません。
この記事を読んで「やってみよう」と思った方は、すぐに参考書を購入して対策に取り組みましょう。
対策は早ければ早いほどいいです。
TOEICで手っ取り早く600点を取って、自分の可能性を広げましょう。
おすすめの参考書
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